トランスクリプトームとは、生きものの細胞の中で「どの遺伝子がどれくらい働いているか(発現レベル)」をまとめた情報のことです。遺伝子が働くときには、RNAという物質がつくられます。RNAは遺伝子ごとに決まっている情報(塩基配列:A・U・G・Cの並び方)をもっており、どの遺伝子がどのくらい活動しているかを知る手がかりになります。このデータベースでは、アサガオの花が咲く前からしおれるまでの3日半にわたり、RNAシーケンス(RNA-seq)という技術を使って、花弁の中のトランスクリプトームを3時間ごとに記録しました。
タンパク質の情報をもつ遺伝子のRNA(mRNA)の2種類と、それ自体が機能をもつRNA(ncRNA、lncRNA)遺伝子の2種類のデータベースがあります。
選んだデータベースによって、入力できる内容が少し異なります。入力すると選択肢やチェックボックスが出てくるので、調べたい遺伝子を選び、「 グラフを表示」を押すとヒットした遺伝子の記録が表示されます。
横軸は、アサガオが咲く時刻を0とした時間を示しています。縦軸は遺伝子の発現レベルで、FPKM(Fragments Per Kilobase of transcript per Million mapped fragments)の値を、3回の実験の平均値 ± 標準偏差として表しています。背景の白と灰色は、それぞれ明るい時間帯と暗い時間帯を示しています。
グラフや右側の遺伝子ID・略称にカーソルを重ねると、その遺伝子の簡単な説明が表示されます。遺伝子IDや略称をクリックすると、その遺伝子のグラフが非表示になり、ダブルクリックするとその遺伝子だけが表示されます。
グラフの数値は左下の「Download CSV」からCSV形式で、画像は右上のカメラのアイコンからPNG形式で書き出すことができます。
この例では、オレンジの線が細胞分裂に必要な遺伝子、青の線が24時間周期で変動する遺伝子、水色の線が栄養回収に関係する遺伝子を示しています。細胞分裂に必要な遺伝子は、開花の48時間前(2日前の朝)にはほとんど発現していないことから、その後は細胞があまり増えないと考えられます。24時間周期の遺伝子は明け方によく働くことがわかり、栄養回収に関わる遺伝子は花が開いた後によく働いていることが推測されます。